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大砲

カノン砲

大砲の登場は軍事を一新した画期的な出来事でした。カノン砲は長距離砲撃(1,500m程度)にはカノン砲弾を使い、短距離砲撃(150-500m)にはぶどう弾を使いました。海軍では敵の船の帆を燃やすため、焼夷性のあるカノン砲弾や、2つまたは半分のカノン砲弾をつなげた、鎖付き弾などが使われました。大砲にとって戦場の地形は非常に重要な要素でした。例えば、敵が泥地や湿地にいた場合、カノン砲弾は土壌で跳ねることがなく使い物になりません。大砲に最も良い位置は丘の上です。丘の上からの砲撃は砲撃距離が伸びるためです。カノン砲は破壊力のある長射程武器です。敵が間近にいる時や、白兵戦の際にはあまり役に立ちません。カノン砲はリンバ(通常、弾薬を運ぶ荷車)という特別な荷車に載せ、馬で引っ張って移動しました。砲撃間隔は2分でした。当初、砲手は特別な軍服はなく、兵士というより職人と見られていましたが、18世紀に入り常備軍が創設されると、マスケット銃兵に似た軍服が支給されました。