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30年戦争

リュッツェンの戦い

1632年11月16日

ヴァレンシュタインの陸軍はザクセンを侵略し、武力でライプツィヒを占領した。この町の解放を目指して、グスタフ・アドルフは自軍の兵を南ドイツからライプツィヒに向けた。パッペンハイムがヴァレンシュタインの陸軍を応援するために到着した。その時、グスタフ・アドルフはナウムブルグの北にあるザーレ川側の優位な位置を占めていたため、ヴァレンシュタインは数の上で優勢を誇っていたにも関わらず、攻撃するのをためらった。数日間、両軍は対峙し続け、厳しい11月の寒さに耐えねばならなかった。ついにヴァレンシュタインは自軍の兵をザクセンの市内の冬の宿舎に撤退させることに決めた。グスタフ・アドルフはこれを知ると、帝国軍が再結集できないうちに打破してしまおうと目論んで直ちに攻撃を開始した。ヴァレンシュタインはリュッツェンの近くで防衛軍を組織すると同時に、機動部隊にスウェーデン軍の進行を阻止するように命じた。リュッツェンは通り抜けできないような平原と湿地で周囲を囲まれていて、近づくことは不可能と考えられていた。グスタフ・アドルフは5,100の騎兵と60のカノン砲も含めた、16,300の兵を指揮した。ヴァレンシュタインは4,000の騎兵と21のカノン砲を含む12,000の兵力でこれに対抗した。数と質の上での優位を活かし、スウェーデン陸軍が勝利をものにした。