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30年戦争

白山の戦い

1620年11月8日

チェック人との戦いは決定的な戦闘がないまま、ほぼ3年続いた。チェコ軍の軍勢の方が帝国軍に比べはるかに優れていた。しかしチェコ軍には武力でウィーンを制圧するだけの兵力がなかった。バイエルンの君主は自軍の数の上での優位を利用することに決め、プラハに直接進軍した。そこで指揮官ブコワを降伏させることに成功した。アンハルトのクリスチャンが指揮を取るチェコの軍勢は戦略上の要所を封鎖することにより、敵を食い止めようとした。チェコ軍は極めて有利な位置を占めていた。すなわち右側には防壁で周囲を囲まれた公園と狩人の城が位置し、左側には深い窪地があり、前方の沼のような草地には川が流れていたのだ。ただ1つある橋を渡る以外、帝国軍に進入する手段はない。ティリーはバイエルン兵士に橋を渡って、向こう岸に展開するように命じた。ティリーが指揮する旧教派の兵士の数は28,000だったのに対し、チェコ軍は21,000の兵しかいなかった。2時間に及ぶ血みどろの戦闘の末、帝国軍が最終的に勝利を修めた。オーストリア、ハンガリー、オランダの兵士たちが多数チェコ軍の側で戦った。一方、旧教軍にはプロシア、スペイン、イタリア、ワロン、ポーランドからの兵士が参加していた。