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騎兵

ハンガリー軽騎兵

ハンガリー軽騎兵は敵の後方への大胆不敵な急襲、偵察、前哨地点への兵の配置、辺境地帯での軍務を目的とした軽騎兵部隊を構成していました。線的な戦術が主流だった時代には、ハンガリー軽騎兵の大隊は特別な意味を持っており、彼らは歩兵小隊を護衛し、脱走兵が出る防止もしました。多くの場合歩兵は主に下層階級の出身者だったので、彼らは歩兵の規律と秩序を維持するのを助けたのです。ハンガリー軽騎兵は通常、大胆な男たちとみなされていますが、この部隊の主な特徴はそのスピードと機動性でした。彼らは戦闘で数え切れない戦略的動作を実行できる卓越した騎手でした。彼らは攻撃能力に関しては重騎兵に劣りましたが、この欠点はその機動性を発揮することや待伏せや後方または側面への急襲を行うことで簡単に補えました。ハンガリー軽騎兵はサーベル、ピストル2丁、短いフリント式マスケット銃またはラッパ銃(短距離での鹿弾射撃用)で武装し、また、その装備はハンガリーの伝統的な特徴を多数取り入れており、ドルマン(金糸や銀糸で刺繍の施されたジャケット)、ペリース(左肩に毛皮の付いた外套)、チュックチア(表面が革のズボン)または乗馬ズボン、 ふさの付いたブーツ、左腰に下げた図嚢から成っていました。