騎兵
重騎兵
軍事科学が発達した結果、騎士という職はすたれ、代わりに騎兵隊がもてはやされるようになりました。戦士が個人でばらばらに戦う代わりに、数人の騎兵(重騎兵)で構成される戦略的な騎兵大隊が用いられるようになったのです。重い鎧で身を守った彼らは至近戦に優れていました。彼らが身につける鎧のプレートの数は減少しましたが、重量と厚さは増していきました。このような変更は急速に発達していた火器に対して兵士の身を守ることが目的だったのです。ピストルから発射された直射の弾丸か、50歩以内の位置から発射されたマスケット銃の弾丸でなければ、鎧を貫通することは不可能でした。剣やサーベルは継ぎ目に当たるということでもなければ、プレートの鎧に対してはほぼ無力でした。騎兵は高価なホイールロックピストル(2〜6丁)で武装して、接近戦では(戦術に応じて)剣、ダガー、鉾槍、時としては長槍も振り回しました。騎兵の装備は相当の重量で、鎧は約35キロ(77ポンド)あり、鉄兜、胸甲、腕甲、膝丈までのもも当てから成っていました。騎兵は長靴をはき、彼らが乗った馬は丈夫でしたが、あまり機動性はありませんでした。
重騎兵の攻撃はゆっくりしたペースで開始され、敵に極めて接近した時にだけ、馬を速いペースで走らせました。重騎兵の戦術は多種多様で、主に戦闘訓練のレベルによりました。十分に訓練された騎兵、たとえばオーストリア騎兵や(グスタフ・アドルフ軍の)スウェーデン騎兵は刀剣の武器を使いこなしました。訓練が不十分な騎兵は敵をピストルで攻撃しました。