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北方戦争

ガングートの戦い

1714年7月27日

1714年7月、ロシアの軍勢はフィンランドの南部を通って進軍した。破竹の勢いのロシア軍は次から次へと都市を降伏させていった。スウェーデンは差し迫る脅威をひしひしと感じた。ロシア軍はボスニア湾に到達することを念願としており、その目的のために、15,000の兵士がガレー船等99隻に乗り込み、オーボ(トゥルク)の要塞に向かって進んだ。スウェーデン兵は敵の進入を阻止しようと、ニルス・エレンシェルド少将の指揮する艦隊を派遣した(この艦隊は旗艦「エレファント」、小型船「フランドラ」、「モータン」、「シンパン」、ガレー船「アーン」、「トラナ」、「グリッペン」、「ラクセン」、「ジーデーン」、「ヴァルフィッチ」の10隻で構成され、乗組員は合計941人だった)。スウェーデン兵はピョートル皇帝が陸路で船を輸送しているものと信じており、ただロシア艦隊の阻止と舟を破壊するようにと命令されていた。ピョートル1世は凪がもたらしたチャンスを活かして、敵に攻撃を仕掛けた。スウェーデンの船は効果的な行動ができずにすべて敵に乗り込まれ、捕らえられてしまった。