戦術 - 騎兵
16世紀になると騎士は騎兵にその姿を変えていきました。騎士は単体で活躍する戦士で、中世では全身を鎧で覆った騎士が戦いの中心でした。その後、騎士は消えていきます。騎兵は騎士とは違い、金で雇われる傭兵でした。17世紀以降、騎兵の鎧が無くなり、軽装になり、より安価に雇用できるようになりました。また銃を持つ騎兵が増え、敵に接近して戦うことの必要性が薄れたため、乗馬の技術は悪くなりました。しかしこの風潮をスウェーデン王であるグスタフ・アドルフが一新します。彼はある戦いで、銃を持った騎兵隊をサーベル騎兵隊で完膚なきまでに叩きのめしたのです。その後グスタフの戦法は19世紀に新式ライフル銃が出現するまで続けられました。騎兵には大きく分けて重騎兵と軽騎兵がありました。2つの違いは馬の違いと戦術の違いです。重騎兵には大きくて強い馬が使われました。機動性はありませんが、接近戦では敵に大きなダメージを与えました。軽騎兵には速くて機動性のある馬が使われました。重騎兵は密集隊形を取り、騎手は重厚な鎧を着て、敵の射撃から身を守りました。射撃は敵が50歩に近づく前に行われました。攻撃の間中、隊列を保持したり、接近戦の後、敵の新手が押し寄せてくる前に隊列を立て直すことは、戦闘を勝利に導く為に非常に重要な要素でした。 戦場における騎兵の場所も重要です。馬は柔らかな土の上で疾駆するとすぐに疲れてしまいます。小さな障害物がある場合、馬は簡単にジャンプしてかわすことができますが、全体として隊列は崩れてしまいます。騎兵隊の戦闘方法にはいくつか種類がありました。まず、密集隊形でそのまま敵に突っ込む方法、2〜3段に分けた隊列で時間をおいて突撃する方法、数段に分けた隊列を次々と敵に突っ込ませる方法などです。騎兵は敵にゆっくりと近づき、徐々に早足になります。130〜270m程近づくと駆け足になります。25m位まで近づくとフルスピードになり、そのまま敵に突撃します。騎兵はサーベルによって敵に勝つのではなく、いかに隊形を崩さないで敵と戦うかという点が重要視されてきたのがこの頃です。軽騎兵は単独の戦闘を得意とします。軽騎兵はゆったりとした隊形を組み、敵の後方をかく乱したり、敵を急襲することに長けていました。パワーの不足をスピードでカバーしたのです。また軽騎兵は輸送馬などの護衛にも使われました。 |
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